ソーシャルゲーマーの半数が有料アイテム購入、うち6割が「反省・後悔」 - ITmedia ニュースで、6割が購入後に「反省・後悔」している
という結論を出すのは甚だ疑問だよ、という話。
別に所謂ソーシャルゲームを擁護しようという事ではない。これは統計によく在る罠だ。
また、有料プレイヤーの60.6%が、支払った金額について「反省・後悔している」「どちらかといえば反省・後悔している」ことが分かった。これらのユーザーに今後の使用金額について尋ねると「減らしたい」が46.3%、「ゼロにしたい」が40.8%だった。
費やしたプレイ時間についても、有料プレイヤーの41.2%が「反省・後悔している」「どちらかといえば反省・後悔している」と回答。今後のプレイ時間は「減らしたい」が55.6%、「ゼロにしたい」が16.3%だった。
この結果に対して、例えば、
消費者の半分に後悔を与える商売って凄いな
というaotake16氏のような感想を抱いたとしたら、注意した方が良い。貴方は統計の罠に嵌っている。
実際の設問を確認してみよう。ソーシャルゲームに関する利用状況調査 | Fastask(ファストアスク)で期間限定(2012年9月4日18時まで)で公開されている。
ソーシャルゲームをプレイしてきた時間について、「無駄に使ってしまった」と反省・後悔したことはありますか。
ソーシャルゲームに使ってきた金額について、「無駄に使ってしまった」と反省・後悔したことはありますか。
どちらも反省・後悔したことはありますか
と聞いている。これが罠だ。
こう聞かれたら、今まで何回も行ってきた課金の内、一度でも反省・後悔
した事が有れば、答えはYesになってしまう。仮に、100回課金して、内99回は満足していたとしても、1度でも反省・後悔
した事が有れば、此処での回答は反省・後悔している
(或いは、どちらかと言えば反省・後悔している
)という事になってしまう。
「100回の課金の内、たった1回だけ後悔した事がある」人間を捕まえて、「彼は課金に後悔している」と結論づける事は、果たして妥当だろうか?
貴方に次の質問をしよう。
「貴方は嘘を吐いた事がありますか?」
この回答にNoと答える奴は居まい。
では、Yesと答えた貴方は嘘吐きなのだろうか?
ベンジャミン・ディズレーリという人物が残した言葉に、次のものが在る。
嘘には3つの種類がある。嘘、真っ赤な嘘、そして統計だ。
今回のITmediaの記事は、正にこの例だ。
- Noと答える奴は居まい
- クレタ人のような極端な例を除いては;-p