「天皇」の生前退位、そして即位
天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が制定、施行され、平成31年(2019年)4月30日に明仁天皇が退位、翌日の5月1日に徳仁天皇が即位した。
そして、それに伴い、元号は「平成」から「令和」に変わった。
情報化社会万歳
ところで、この退位と即位に関する皇室儀礼の内、「退位礼正殿の儀」「剣璽等承継の儀」「即位後朝見の儀」はYoutubeの首相官邸チャンネルにてライブ中継が行われた。また、それぞれの映像は、現在も動画として公開されている。つまり、テレビに頼らざるとも、何の編集も行われていない映像を、何時でも好きな時に確認できるという事になる。正に情報化社会の素晴らしさである。
儀礼中、安置されている物品は何だろう?
さて、「退位礼正殿の儀」と「剣璽等承継の儀」において、その間中、場に安置されている(「剣璽等承継の儀」の場合、「安置」という表現は正しくないだろうが)包みが在った。細長い直方体の物、平たい直方体の物、そして小さな立方体の物が2つ。これは一体なんだろうかと疑問に思った。普通に考えると「三種の神器」なのだが、そうだとすると数が合わない。
調べた所、これは「草薙剣」「八尺瓊勾玉」そして「国璽」と「御璽」との事だった。前者2つと合わせて三種の神器となる「八咫鏡」は宮中の賢所内に祀られており、このような儀礼の場には出てこないという。
「国璽」と「御璽」というのは、恥ずかしながら何かを知らなかったが、これらは、平たく言うと印鑑であるとの事。「国璽」は国家の象徴として用いる印、「御璽」は国事行為で発せられる書類に押される印らしい。
道理で、要所要所での扱い方が、草薙剣、八尺瓊勾玉と異なる訳だ。
例えば剣璽等承継の儀の場合、天皇陛下が退出される際は、剣→陛下→勾玉の順で退出されるが、国璽と御璽は、その場に残されている(画面右下)。