2025年12月01日

職業システムエンジニアだけど、園芸がお好き

これは、 「専門外の趣味を語る Advent Calendar」 の第1日目の記事である。「『専門外の趣味を語る Advent Calendar』とは何だろうか?」とか、「そもそもAdvent Calendarとは?」といった内容については、一つ前の記事『「専門外の趣味を語る Advent Calendar」の参加者を募集しています 』を参照して欲しい。


さて、私の職業は「システムエンジニア」である。平たく言うと、コンピューター――例えばPCやスマホ――上で動くアプリやwebサイトの作成を行う仕事だ。しかし、その一方で、園芸を趣味とし、休日は庭で草木の世話に精を出したりしている。

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梅の花

プログラミングと園芸、何方かと言うと、割と正反対の性質を持つ物に思える。プログラミングはコンピュータという機械を扱う仕事だが、園芸は生命を扱う訳であるし。プログラミングの世界は全て「プログラムに書いた通り」に動くが、園芸は、そのようにはなっていないように思える。理想的な環境に質の良い種を植え、適切に肥料や水を遣ったとしても、異常気象や害虫等のコントロール出来ない外部の影響で枯れる事はままある事だし、「何が原因かわからないが枯らしてしまった」なんて事も有り得る。何故、相反するように思える両者を、一人の人間が趣味として同時に楽しめているのかは、自分でも、よく分からない。

芍薬
芍薬(しゃくやく)

私が園芸の何処を楽しんでいるのか?それを考えてみると、「規則性の中に紛れるランダム性」が有るように思える。春夏秋冬、様々な植物が、それぞれのタイミングで芽を出したり花を咲かせたり実を付けたりする。その規則的なルーチンの中で、その時々の気候の違い――例えば冷夏や暖冬等――、草木狙いで来る小鳥や虫達の多寡。そういったモノが草木の状態を左右し、全く同じ状態になる年というのは絶対に有り得ない。

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立浪草(たつなみそう)。名は花の形状が波のように見えることから

それは意図的に育てている草木に対してのみ影響する訳ではない。外部から、思いもしない新たな植物が庭に齎されるという事もある。例えば、私が園芸を楽しんでいる庭には、現在、山椒や紫蘇が生えているが、これらは私が種を蒔いた物ではない。ふと気づくと、何時の間にか勝手に生えていた物だ。時期になると立浪草が何輪も咲くが、これも私の手に因る物ではない。恐らく、庭に来る小鳥や虫達が齎した物なのだろうと思われる。園芸は、そんな小さな驚きをしばしば私に与えてくれる。

匂蕃茉莉
匂蕃茉莉(におうぼんまつり)。咲いた直後は紫色だが、だんだん白く変化していくという面白い特性を持つ。

「園芸」というのは何処から何処までなのか?というのを調べてみると、「育てた野菜や果物を収穫し調理、食する」事も含められるらしい。丁度、梅の木が有るので、毎年、梅干しを漬けており、此れも楽しみの一つである。実が多く成る年と成らない年が在り、それで嬉しくなったり残念に思ったりするのも良い体験だ。

梅干し.jpg
実際に私が漬けた梅干し

植物に興味が湧くと、日頃通る道すがらで目にする草木も気になってくる。こんな所に綺麗な花が咲いていたのか。これは何という花だろうか。彼処の木はそろそろ実を付ける筈だ――なんてこと無い往来が、楽しい発見ばかりの小さな冒険へと変容する。

山茱萸の実
山茱萸(さんしゅゆ)の実

今の季節は、山茶花が咲き、山茱萸が赤い美しい実で目を楽しませてくれる。今年は紅葉は色付きが遅いようだ。木の実狙いか、可愛らしい小鳥も稀に訪れ、美しい鳴き声を聴かせてくれる。世話は大変だが、そういった変化を楽しむ事が出来る。もし、少しでも興味を惹かれるようであれば、貴方も園芸を始めてみてはどうだろうか。


明日、第2日目は、やまこさんが「ITエンジニアが漫画を描く」という事について語ってくれる予定となっている。私自身は絵心がないので、どのような内容となるか予想が付け難く、楽しみだ。

なお、「専門外の趣味を語る Advent Calendar」、2025年12月1日時点で、まだ枠に空きが在る。何方か、「自分も趣味を語ってみたいぜ!」と思った方は、気軽にエントリーして貰えると幸いだ。

ラベル:Gardening

2025年11月22日

「専門外の趣味を語る Advent Calendar」の参加者を募集しています

[クリスマスツリーの前で趣味を楽しむ3人の専門家達の絵。コスプレを楽しむ裁判官、ロックにギターを掻き鳴らす僧侶、バレーを踊る自衛官。]

11月も下旬に入り、すっかり寒くなって来た……いや、つい数日前迄、「この時期にしては暖かいなー」と思っていなかったか。気温の変化が急激過ぎやしないか?

ともかく、もうすぐ12月。12月という事は、アレの時期である。そう、Advent Calendarだ。

専門外の趣味を語る Advent Calendar 2025

そんなわけで、今年は一つAdvent Calendarを企画してみる事にした。何らかの生業(仕事等、専門的に取り組んでいる事)を持っている人が、その生業とは特に関係が無い趣味について、大いに語るという趣旨のAdvent Calendarだ。

貴方の趣味は何だろうか?仕事が趣味?それは結構。しかし、仕事とは全く関係の無い趣味を持っている人も沢山居る筈だ。私はシステムエンジニアと呼ばれる職に就いているが、ソフトウェア開発以外に興味が無いかと言うと、そんな事は無い。人には複数の側面が有る物だ。日頃、顔を合わせている同僚は、思いも掛けない趣味を持っているかもしれない。日頃利用している駅の職員は、オフでも鉄っちゃんという事はないかもしれない。貴方だって、そうではないだろうか?そんな「思いがけない一面」を知り、また、世間に知らしめる(あわよくば同好の士を増やす)というのはどうだろうか。

2025年11月21日現在、25個在る枠は、まだ8個しか埋まっていない。つまり大絶賛参加者募集中である。blogのような長文を書けるプラットフォームでも良いだろうし、X(旧Twitter)で短文に情熱を込めても良い。ニワカ趣味でも大いに結構。

専門外の趣味を語る Advent Calendar 2025

Advent Calendarとは何か?

ところで、ネット上のイベントとしての「Advent Calendar」を知っている人は、どれくらい居るのだろうか。ソフトウェア開発者の間では割と知られた概念であるが、それ以外の人にも知られているのだろうか?

実物のadvent calendarの写真。このadvent calendarは赤い色をしている。1から25迄の番号を振った小さな25個の扉が並んでおり、その内8、18、23の扉は開いており、中に小さなオモチャか飾りの様な物が入っているのが確認出来る。
Restoration Hardware Advent Calendar | Pat & Keri (CC BY-ND)

本来のadvent calendarは、クリスマスシーズンに用いられる、カレンダーのような物の事である。それぞれの日付の部分が収納になっていて、お菓子等を中に入れておいたりする。12月1日から25日迄、毎日、該当する日の引き出しの中身を取り出しクリスマスを心待ちにしながら楽しむ、という趣旨の物である。

そこから、ネット上のイベントとしてのAdvent Calendarが生まれた。12月1日から25日迄、参加者が一人ずつ、テーマに沿った記事を公開するという物だ。ある意味、百物語に近いかもしれない。Advent Calendar用のプラットフォームというのも存在しており、「専門外の趣味を語るAdvent Calendar」が利用しているAdventarや、ソフトウェア開発者限定となるがQiita Advent Calendar等が在る。前述の通りソフトウェア開発者の間で特に楽しまれるイベントであるが、その仕組み自体は誰でも楽しめる物である。実際、Adventarにはソフトウェア開発に関係無いAdvent Calendar企画も沢山存在する。覗いてみては如何だろうか。

ラベル:advent_calendar hobby

2024年09月18日

私がpCloudをお勧めする理由

先日、オンラインストレージサービスのpCloudのPR記事がITmediaに掲載されていたpCloudは、オンラインサービスにしては珍しく、サブスクではない「買い切り」のプランが存在するという特徴が有る(念の為に言っておくと、サブスクのプランも存在する)。で、はてなブックマークのコメント一覧を覗いてみると、まぁ胡散臭く思っている人が多い事、多い事。

胡散臭く思いたくなる気持ちは分かる。正直な話、私も課金するにあたって大いに悩んだ。継続的な提供が必要となるwebサービスに「買い切り」――それも、実質的に無期限の――というのは、なかなか馴染まない。実際に、同様のコンセプトを打ち出したwebサービスが終了した例は幾つも存在する。

しかし、それでも私はpCloudを推したい。そう思った理由を、此処に記したいと思う。

念の為に表明しておくと、私はpCloudの利用者ではあるが、それ以上の関係者ではない。また、この記事はステマ目的でもない。まぁ、それを証明する事は難しいのだが。


無料プランを利用中のエピソードである。

そもそも何故、私がpCloudの利用を始めたかと言うと、pCloudは、Linux用のクライアントソフトを用意している希少なオンラインストレージサービスだったからであった。

pCloudにはLinux用のクライアントソフトが用意されていたが、当時は、残念な事にコマンドラインツールのみであった。Windows用やMac OS用にはグラフィカルで直感的な操作が可能なクライアントソフトが用意されていたが、Linux用には無かった。

前述の通り、Linuxに対応されているだけでも御の字ではある。しかしやはり、グラフィカルなツールに対し、コマンドラインツールは非常に使いづらい。そこで、サポートに問い合わせてみる事にした。「Linux用のグラフィカルなクライアントソフトを作る計画は在りませんか?」当時は日本代理店なんて無かったので、当然、英語である。問い合わせを送る際にかなり緊張したのを憶えている。サポートからは直ぐに返答があったが、その内容は予想通り「今の所はコマンドラインツールしか有りません」という物だった。Linuxユーザーなんて極僅かしか居ないのは間違いなく、対応しないというのは至極真っ当な方針である。私自身も「駄目で元々」のつもりだったので、その回答で納得した。

ところが、それから暫く経ってから、突然pCloudサポートからメールが届いた。曰く、「先日、Linuxでも使えるグラフィカルなクライアントをリリースしました。良ければ試してみて。」驚いた。前回の問い合わせは、あれでクローズされていると思っていたので、後日、そういったお知らせを貰えるとは思っていなかったのだ。「そういえば、以前この人から、この件について問い合わせを貰ったな」という事を憶えていて、且つ「教えてあげよう」という親切心が無ければ成されなかった事後サポートだからである。サポートのSherryさん、本当に有難う。


つまり、私がpCloudに惚れ込んだ理由は、ストレージ容量でも通信速度でも、更に言うなら値段でもないのである。Linux対応しているからというのは確かにあるが、それは課金迄して利用している理由としては弱い。私がpCloudにお金払っていいやと思った理由は、そう、「サポートの質の良さ」に感心したからなのだ。

皆さんは、利用するサービスをどの様に選んでいるだろうか。数値的スペックのみを気に掛けていないだろうか。勿論それも重要だが、それが全てではないという事を、pCloudのサポートは教えてくれた。数値で表現できない事は簡単に比較する事が出来ない事でもあるが、そういった点も大切だと、それに気付かされたからこそ、私はpCloudのファンとなったのである。

pCloudが将来、サービスを終了しないと断言する事は出来ない。しかし、それは言ってしまえば、他のサービスでも、例えばGoogleやMicrosoft等であっても同じではないか。確かに、「買い切り」というのは不安を感じさせられる。それはその通りだ。どうだろうか、セール中の「買い切り」プランの価格をサブスクプランの価格で割ってみて、「買い切り」プランがサブスクプランのどの程度の期間の値段に相当するか計算してみて、「その期間中に終了する可能性は低いだろう」と思えるならば課金してみては。今、pCloudは丁度セールをやっているが、慌てる必要はない。割と頻繁にセールを開催しているので、次以降のタイミングで購入しても良いのだから。

ラベル:pCloud web
posted by 天井冴太 at 02:27| Comment(0) | TrackBack(0) | IT的つれづれ | 更新情報をチェックする

2023年12月04日

今日の癒しはFediverseに在る

この記事はFediverse (3) Advent Calendar 2023の4日目の記事である。

因みに、昨日は柗村さんの「二次創作まわりでのFediverse所感」となる。X (Twitter)、色々大変みたいだなぁ。私は、イーロン・マスクの「イ」の字も無い頃に見限った口だが、元利用者としては、色々思う所も有るが……いや、今はこの話題は止めとこう……

さて、Mastodonに代表されるFediverseの分散ネットワークは、今の所は、まだまだ平和である。とはいえ、偶には騒ぎが巻き起こる事も在る。考えたくはないが、将来的にFediverseも殺伐としないとは言い切れない。イヤそうでなくとも、我々はリアル社会で充分に疲弊している。とてもつらい。何か対策が必要だ。そうだ癒しだ。癒しを寄越せ!

癒しとは何であろうか。人に依って答えは様々であろうが、私にとっては、それは犬である。そして猫である。つまりモフモフである。いやいっそモフモフしてなくても良いや可愛ければ。可愛いは正義である。

……という訳で、以下に、天井冴太が現在リストに登録している癒しの動物アカウントの一部を列挙する。なお、選考基準は「殆どが動物ネタである事」となっている。なので、例えば、梅吉君の飼い主さんや、ことりこちゃんの飼い主さんのような、それなりに有名そうな動物(の飼い主さん)のアカウントは、このリストには含まれていない。あしからず。

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posted by 天井冴太 at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | IT的つれづれ | 更新情報をチェックする

2021年12月19日

自動車の車内灯の消し忘れを、IFTTTを使って防止する

この記事は、Qiitaの「身の回りの困りごとを楽しく解決!【PR】Works Human Intelligence Advent Calendar 2021」カレンダー2の19日目の記事である。なお、同じカレンダー2の前日(18日目)はtakumiyoshikoさんの「【ゴロツク】語呂合わせ自動生成器を作ってみた」。カレンダー1の方の同日(19日目)はume-boshiさんの『「人造先生はチョークを投げるのか」システムを作った』である。定期的に暗証番号が変わるシステムに苦しめられた経験があり、一人だと集中力が続かないというのは私も同じだしと、両人には勝手に親近感を抱いてしまう。

さて皆さんの家には自家用車が有るだろうか。現代では公共交通機関は充分に発展しており、無くても困らない(維持費というコストの方が高く付く)場合も多く、「若者の車離れ」が起きているとか何とか。とはいえ様々な事情でそうではない人もまだ多く、当方もそちら側の身の上という事になる。

自動車について気に掛けるべき事は幾つも在るが、やらかしの発生しやすさに対し、地味にダメージがでかい物事に「バッテリーあがり」がある。何かの都合で車内灯を付け、それを一晩消し忘れてしまうと、次の日にはエンジンも掛からない巨大な鉄箱の一丁上がりである。ロードサービスに助けを求めるか、他の車のバッテリーと繋いで活を入れれば一時的に復活させられるが、そうなったバッテリーは大体交換を勧めれる。そしてバッテリーの値段も結構馬鹿にならない物なのである。

現代はモノがインターネットに繋がるIoTの時代である。最新の車には何らかの警告を送るシステムでも搭載されていたりするのだろうか?寡聞にして知らないが、何れにせよ手持ちの車にそのシステムが無いなら一緒である。という訳で、手元の車で実現できる範囲で、バッテリーあがりを防止する方法を考えた。幸い、搭載しているカーナビがBluetooth接続に対応しているので、これを使う。

IFTTT(ただし、Proプランへの課金が必要。手持ちのAndroidスマホにはIFTTTアプリを入れておく事)で、以下の要領でappletを作成する。

「Android Device」の「Desconnects from a Bluetooth device」をtriggerに、「Notification」の「Send a notification from the IFTTT app」と、「Email」の「Send me an email」をactionに設定する。

action側の、「Send a notification from the IFTTT app」と「Send me an email」には、ライトの確認を促すメッセージを設定する。
「Send a notification from the IFTTT app」の設定。Messageとして「車のBluetoothデバイス {{AndroidDevice.bluetoothDisconnected.DeviceName}}から切断されました( {{AndroidDevice.bluetoothDisconnected.OccurredAt}})。車のライトはoff或いはドア開閉連動状態にしましたか?」を設定した。
「Send me an email」の設定。Sebjectには「車のBluetoothデバイス {{AndroidDevice.bluetoothDisconnected.DeviceName}}から切断されました」、Bodyには「車のBluetoothデバイス {{AndroidDevice.bluetoothDisconnected.DeviceName}}から切断されました( {{AndroidDevice.bluetoothDisconnected.OccurredAt}})。車のライトはoff或いはドア開閉連動状態にしましたか?」を設定した。

最後にFilter codeに、「カーナビのデバイスからの切断だったか否か」を判定する以下のコードを設定する。 【カーナビのデバイス名】の部分を適切に変更する事を忘れないように。

const TARGET_DEVICE_NAME = '【カーナビのデバイス名】';

if (AndroidDevice.bluetoothDisconnected.DeviceName != TARGET_DEVICE_NAME) {
  // skip
  const MESSAGE_WHEN_ISNOT_CAR_DEVICE = `action skip: ${TARGET_DEVICE_NAME} is not car device.`;

  IfNotifications.sendNotification.skip(MESSAGE_WHEN_ISNOT_CAR_DEVICE);
  Email.sendMeEmail.skip(MESSAGE_WHEN_ISNOT_CAR_DEVICE);
}

最後にカーナビと自身のスマホをペアリングすれば完了。これで、車のエンジンを切りカーナビの電源が落ちると、スマホに注意を促す通知が飛ぶ。

メールでも通知を飛ばしているが、これは偶々スマホが電池切れを起こしていたり、誤って該当する通知を消してしまった時の安全策である。仮に、エンジンを切った瞬間の注意喚起に気づかなかったとしても、バッテリーがあがる前に気付く事が出来れば、余計な出費は抑えられる。スマホの通知で用を熟せていた場合は、重複する内容となるメールでの通知は若干ウザイが、バッテリー買い替えの金銭的ダメージと天秤にかけると、まぁ許容範囲かなと。人によっては、通知先のサービスは別の物にカスタマイズしても良いだろう。

照明を消す事を完全に自動化出来る物ではないが、それなりに役に立つシステムが完成した。素晴らしいのは、これの実現に殆どプログラムコードを書いていないことである。IFTTT万歳!

ラベル:Car IFTTT android
posted by 天井冴太 at 23:34| Comment(0) | IT的つれづれ | 更新情報をチェックする

2021年10月17日

馴質異化、異質馴化

最近、「ライト、ついてますか――問題発見の人間学」という本を読んでいる。その中では、問題に対する解決策は、往々にして不適合を見落としてしまう物だと説かれている。ここで言う不適合とは、その解決策が齎してしまう(解決策を考案した時点では判明していなかった)新たな問題を指す。この時、人はその高度な適応能力故に、問題を問題と認識出来ない事がよくある。不適合の見落としを防ぐ為には、自分たちとは別の、新たな視点で物事を見てみる必要がある。

「新たな視点で物事を見てみる」と聞いて、私は「馴質異化」という言葉を思い出した。同時に、それと対になる「異質馴化」という言葉も。

馴質異化じゅんしついか」とは、よく見慣れている物を初めて見る物として捉え直してみる事を言う。「異質馴化いしつじゅんか」はその逆、初めて見る物を、さも、よく見かけている物のように捉えてみる事だ。「ライト、ついてますか――問題発見の人間学」のそれは問題解決(不適合の見落としの防止)の為の技法としての物だが、馴質異化、異質馴化は、もっと広い、アイディアの発想法として用いられる物だという。

まぁアイディアを得たい時というだけでなく、時間潰しとしても有用だ。例えば毎日の通勤通学の途中で、よく目にする何某かに対して「馴質異化」を試みてみる。そうすると、今迄、気にも留めていなかった物事に気づける。特に何か準備が要るわけでもなく手軽に行えるし、「そういえばアレは何故ああなっているのだろう?」という疑問の海に身を浸してみるというのも、なかなかに楽しい経験だ。

ラベル:idea Technique
posted by 天井冴太 at 00:49| Comment(0) | 日々雑感 | 更新情報をチェックする

2021年04月21日

筆を取れ。物を書け。情報を流通させろ!

現代は高度情報化社会である。インターネットである。眼の前のパソコンから、或いは、手元のスマートフォンからネットを介して検索すれば、大体の情報は得られる時代である。なんなら、「情報の飽食の時代」と言ってもいいだろう。

そんな時代にあって、次のような主張を展開する者も居る。曰く「低レベルな情報は、この世に必要ない」「その情報は既に巷に溢れているので、これ以上書いてはいけない」「高レベルな情報が書けないのであれば、アウトプットをするべきではない」……しかし、そんなのはウソっぱちである。たとえ拙くとも、どんどんとアウトプットをするべきだ。そんな主張を展開する奴は、自分が摂取する情報の取捨選択も出来ない、物を知らないクソザコナメクジなので、相手をする必要はない。

何故か。先ず、当たり前の事ではあるが、貴方には表現の自由が在る。日本国憲法で保証されてさえもいる。何人たりとも、表現の自由を侵害する事は出来ないのである。

次に注目すべきは、「最初から上手く出来る人間はいない」という事実である。皆、下手くそから成長して、上手くなっていく。これは情報のアウトプットについても同じだ。下手っぴはアウトプットするな?チラシの裏にでも書いてろ?それは、人の成長を否定し、ひいては将来生まれる筈だった高度な情報を抹殺しようという言説である。そう主張する者は、技術発展を拒む「人類の敵」との誹りを受けても仕方がない。

更に、情報は在れば在る程よいのである。此処で試しに、ちょっと大きめの本屋に行ってみて欲しい。技術書や解説書、入門書の類の棚を覗いてみよう。同じ事に関する書籍が何冊も在るだろう。なぜ何種類も在るのかは、中身を見比べてみれば分かる筈だ。そう、喩え同じ事について論じていても、その説明の仕方は皆異なる。書いた人間の数だけ、別の説明が生まれる。ある説明で理解できなかった物事でも、別の説明で理解できるようになるというのはザラだ。説明のパターンが多ければ多い程、物事を理解できる人間の数は増えるのだ。コピー――つまり「パクリ」――でない限り、情報量に「多すぎる」という事はありえないのだ。

さあ、恐るるな、筆を取れ。物を書け。情報を流通させろ!成長と発展は、その先にこそ存在する。

何人なりとも、表現の自由を侵害する事は出来ない
勿論、そうは言っても、誤情報を広めたり、誰かの尊厳や名誉を傷つけるものはNGである。此処で論じているのは情報の質と量に関してなので、これらについては取り扱わない。
ラベル:Information writing
posted by 天井冴太 at 21:48| Comment(0) | 日々雑感 | 更新情報をチェックする

2021年03月11日

block-logout-from-jobcan.user.js――ジョブカンからのタイムアウトに因るログアウトを防ぐ Greasemonkey script

今の勤務先は出退勤をジョブカンというwebサービスで管理しているのだが、このwebサービスは、30分間の無操作で自動的にログアウトさせられる。ジョブカンを確認しようと思ったら何時の間にかログアウトさせられていたという体験が頻出し、イラッと来たのでサッと作ってしまった。反省はしていない。

AmaiSaeta/block-logout-from-jobcan.user.js: ジョブカンからのタイムアウトに因るログアウトを阻止する Greasemonkey script。

Greasemonkeyアドオンをインストール済みであれば、上記ページからblock-logout-from-jobcan.user.jsを選択して、「Raw」ボタンを押せばスクリプトのインストール用ダイアログウィンドウが開く筈。

例によって Firefox + Greasemonkey の環境でしか動作確認していない。他の環境で動くかどうかは不明。

ジョブカンを開いているFirefoxのウィンドウ、或いはタブがインアクティブである場合に、29分50秒毎にページを再読込する事でログアウトを防いでいる。ジョブカンを開いているウィンドウとタブがアクティブである間は再読込を行わないので、その場合はタイムアウトでログアウトしてしまう。閲覧中に再読込が走るとウザイのでこうしているが、これは即ちログアウトを完全には防げていない事になるので、何か対策を取りたい所。いいアイディアが有ったら教えてください。

posted by 天井冴太 at 12:00| Comment(0) | 自作ソフト | 更新情報をチェックする

2021年02月22日

フリーミアムモデルは死ぬのかもしれない

行き詰まるフリーミアム

昨年後半から、無料で提供されていたwebサービスの内容が縮小されるというニュースが目に付くようになってきた。

Googleという巨人が流れに乗っている以上、この流れは、もっと他のwebサービスにも波及する可能性が高いだろう。「webサービスは無料」が見に染みているユーザーにとっては冬の時代の到来である。

「基本機能は無料で提供し、+αを求めるユーザーには課金を求める」という展開方法をフリーミアムモデルという。ソフトウェアのような、提供に関わるコストが極低い場合に有効とされてきた手段だ。webサービスやスマホ用アプリでは御馴染みとなっている。

昨今の無料提供プランの「締め付け」、もしかしたら、フリーミアムモデルが行き詰まっているという事なのではないか。フリーミアムモデルが広まりすぎてしまい、我々サービスを受ける側が、それに慣れすぎてしまった。「当たり前」と捉え、有り難みを感じなくなってしまい、フリーミアムモデルの効果が果てしなく軽くなってしまっているのではないか。嘘か真か「有料であれば、どれほど優れたソフトウェアであろうと最低の評価を付ける」という人も居るという。

そもそも「無料」でサービスや物の提供を受けられているというのは、本来おかしな話である。何かを提供する側には、それについてのコストが発生している訳で、そのコストを上回る利益が回収できないようでは、サービスや物を提供する意味はサッパリ無いのだ。「タダ働きして」と言われて「はい分かりました」と答える奴は居ない。

これからのフリーミアム
ラベル:business web
posted by 天井冴太 at 00:04| Comment(0) | IT的つれづれ | 更新情報をチェックする

2020年07月15日

災害情報収集用のチャンネルを用意しよう(福岡県の「防災メール・まもるくん」の紹介)

7月に入ってからの豪雨で、日本各地で被害が出ている。特に九州南部が目立つが、遠く岐阜や長野にも被害が出ている。被災された方にはお見舞いを申し上げたい。私の住む地域では目立った被害は出ていないが、大きな被害を被った地域の中には、多少、縁の有る地域も含まれており、心配である。

さて、このような自然災害を始めとした非常事態において、最も重視すべき情報とは、どういう物だろうか。それは、公的な機関の発する情報である。正しい情報である可能性が最も高い為だ。各種の注意報や警報、避難に関する情報、災害発生の有無や、その場所の情報。出勤中であれば、帰宅難民とならないよう公共交通機関の運行情報も重要となるだろう。自分が何時、そのような状態に陥るかは予測が出来ない。そうなってから慌てないよう、問題が無い内から、情報チャンネルを確保しておく必要が在る。

私の住む福岡県では「防災メール・まもるくん」という物が提供されている。県内で発令中の警報や注意報、発生している自然災害についての各種情報、JRの運行情報、行方不明者情報、その他様々な幅広い情報をメールで通知してくれる。熱中症情報や花粉についての情報も提供してくれるので、「防災」と銘打ってはいるが、平時も役に立つ物となっている。幸いにして、私は未だ利用する機会に直面した事はないが、事前に登録しておいたメールアドレスに安否情報を一斉送信したり、避難場所迄の道順を案内してもらう事も出来るらしい。「どの地域」の「何の情報」が必要かは設定できるので、興味がない情報に煩わされる事もないだろう。詳しくは公式サイトを参照して欲しい。

[防災メール・まもるくんのトップページ]「防災メール・まもるくん」の一番の特徴、それは、公式サイトにアクセスすると、「お役所」らしからぬ、何やら可愛らしいケモノなキャラクターが迎えてくれるところである。ケモナー大歓喜。福岡のゲーム開発会社CyberConnect2がキャラクターデザインを手掛けており、同社の開発したゲームと世界観を同じくしている。詳しくは、同社の「リトルテイルブロンクス構想」のページを参照されたい。残念な事に送られてくるメール自体は、「お役所」らしいシンプルなメールで、この可愛いキャラクターは影も姿も見せない。勿体無い。是非とも改修を期待したいところである。

私が福岡県在住である為、福岡県のサービスについて紹介したが、他の都道府県でも同様のサービスが提供されている可能性は高い。非常時になってから困らないように、今の内に利用登録をしておく事を勧める。今回、特に被害が大きかった熊本の球磨川流域では、川が氾濫し地域が水に浸かる迄に、ものの10分程度しかなかったと聞く。それはまぁ極端な例としても、非常時に不正確な情報に右往左往する余裕は無いだろう。正確な情報の入手は、正に自身の命運を左右する事も有り得るのである。

ラベル:fukuoka Email web disaster
posted by 天井冴太 at 22:26| Comment(0) | IT的つれづれ | 更新情報をチェックする